*ピル/避妊*
ピルは女性ホルモンの合剤で、服用することによりあたかも妊娠しているようなホルモン環境となり、下垂体からの卵胞刺激ホルモンの分泌がなくなり卵子が成長せず排卵が起きません。低用量ピルはホルモン量を調節することによって長期間安全に飲めるよう調整された薬剤です。排卵抑制に加えて、子宮内膜と頸管粘液の状態を整えることで、高い避妊効果が期待できます。また月経痛や月経量の軽減、月経不順の治療に用いられることがあります。
主な副作用
吐き気、頭痛、不正出血、乳房の張りなどがみられる場合があります(多くは数か月で軽快します)。まれに血栓症のリスクが上がるとされます。喫煙や前兆を伴う片頭痛など、リスク要因がある方は事前に丁寧に評価いたします。
定期受診
血圧や体重、副作用の有無を確認するため、定期的な受診をお願いしております。
注意事項
飲み忘れ時の対処は服用状況により異なります。お渡しするリーフレットをご参照のうえ、不安がある際は遠慮なくご相談ください。性感染症の予防効果はありません。必要に応じてコンドームの併用をご検討ください.
*アフターピル(緊急避妊)*
目的:避妊が不十分であった性行為の後に、妊娠の可能性を下げることを目的としたお薬です。
受診・内服の目安
早く内服するほど効果が高いとされています。一般には72時間以内の内服を推奨し、薬剤によっては120時間まで適応がある場合もございます。
診療の流れ
1. 問診と、必要に応じた妊娠検査
2. 薬剤のご説明と内服(同意書にご署名をお願いしております)
3. 出血の有無の確認/次回月経が来ない場合は再受診をご案内します
副作用
吐き気、頭痛、倦怠感、月経時期のずれなどが一時的にみられることがあります。
注意事項
すでに成立した妊娠を中断する薬ではありません。
今後の確実な避妊法(低用量ピルやIUS等)についても、状況に合わせてご提案いたします。
*月経移動ピル*
特徴:旅行・試験・イベント・スポーツ大会などに合わせて、一時的に月経時期の調整を行います。
方法
月経を遅らせる:予定月経の約1〜2週間前から連日内服し、休薬後2〜3日で出血がみられることが一般的です。
月経を早める:前周期に短期間内服し、休薬後の出血を利用して次回の予定を整えます。
受診のタイミング
できるだけ早めのご相談をお願いしております(目安:次の予定月経の10日前まで)。時期により調整が難しい場合がございます。
注意事項
体質により少量の不正出血がみられることがあります。
妊娠の可能性がある場合は内服できません。
*IUS(ミレーナ®)*
子宮内に黄体ホルモンを放出する小型デバイスを留置し、最長5年間の避妊効果が期待できます。月経量の減少や月経痛の改善にも有効とされています。
(施術準備中です、当院では現在のところ施術できません)
適している方
長期的で手間の少ない避妊をご希望の方
過多月経や月経困難症の改善をご希望の方
施術の流れ
1. 事前診察(妊娠の否定、感染症の評価、子宮の大きさ・位置の確認)
2. 外来での挿入(多くは数分で終了します)
3. 定期チェック(挿入後約1か月、その後は年1回程度)
挿入後によくみられる症状
数週間の下腹部痛や少量出血、不正出血の持続などがみられることがあります(多くは自然に軽快します)。
注意事項
性感染症の予防効果はありません。
まれに自然脱出・穿孔・感染などの合併症が報告されています。異常を感じられた際は受診をご検討ください。