*月経周期の異常*
平均的な月経周期は25-38日です。周期が39日以上3か月以内であると「稀発月経」、24日以内だと「頻発月経」と呼び、女性ホルモンバランスが何らかの要因で乱れている可能性があります。多くの方が経験されたことがある症状ではありますが、治療が必要な病気が隠されていることがありますので一度ご相談ください。また、18歳を過ぎても初めての月経(初経)がみられない場合は「原発性無月経」の可能性があります。3か月以上月経がみられない場合、「続発性無月経」と呼びます。いずれも原因精査をお勧めしています。
月経が来ない(遅れている)
月経が予定より1~2週間遅れている場合、妊娠の可能性があるときは市販の妊娠検査薬のご使用をお勧めします。妊娠の可能性のない方や、妊娠反応が陰性の方で、3か月以上月経がみられない場合はご相談ください。
*月経期間の異常*
通常の月経期間は3日から7日間で、平均して5日間程度です。8日以上続く場合を「過長月経」、2日以内の場合を「過短月経」と言います。過長月経や過短月経にはホルモンバランスの異常や、子宮・卵巣の病気が関与している可能性がありますのでご相談ください。
*経血量の異常*
平均的な経血量は1周期あたり20~140mlです。経血量は個人差が大きいですし、正確な量の把握は難しいですが、日中でも夜用ナプキンを頻繁に交換する必要がある場合や、レバー状の塊が多くみられる場合には経血量が多い可能性があります。経血量が多い状態が続くと貧血をきたす場合がありますので、受診をご検討ください。
*生理痛*
月経中に下腹部痛や腰痛が起こることがあります。子宮の収縮が関与していると考えられています。頭痛や吐き気を伴う方もおられます。日常生活に支障が出るほど強い場合は月経困難症と呼ばれます。原因となる婦人科疾患のない機能性月経困難症と子宮筋腫や子宮内膜症などが原因の器質性月経困難症があります。症状から原因を区別することは難しいため、強い生理痛が繰り返す、年々悪化している場合はご相談ください。原因によって治療法は異なります。子宮や卵巣に疾患の有無を確認した上で、お一人お一人の特徴に合わせた治療を提案いたします。
*不正出血*
月経以外の時期にみられる性器出血を不正出血といいます。原因には、ホルモンバランスの乱れによる機能性出血のほか、女性性器の疾患が原因の器質性出血があります。明らかな不正出血が起こった場合は原因を診断するために受診することをお勧めします。診察・検査の結果を踏まえて、適切な治療の提案をいたします。
*月経前症候群(PMS Premenstrual syndrome)*
月経前(黄体期)に出現し、月経開始とともに改善する身体的・精神的症状の総称です。症状により仕事・学業・家事に支障を来すこともあります。つらさが続く場合はご相談ください。
*月経前不快気分障害(PMDD Premenstrual dysphoric disorder)*
PMSの中でも抑うつ・易怒性・不安など精神症状が強く、対人関係や社会生活に著しい支障を来す状態を指します。治療により改善が期待できますので、つらい症状がある場合にはご相談ください。